2010年02月22日

囲碁 プロ棋士の卵 厳しい修練に耐え、夢は世界トップ (毎日新聞)

 小学5年生の藤沢里菜(りな)さんが、4月にプロ囲碁棋士になる。11歳6カ月は史上最年少。どんな子どもたちがプロを目指すのか。【根本太一】

【関連記事】囲碁:小5の藤沢里菜さんが棋士試験合格 史上最年少で

 日本棋院に近い東京都新宿区のビル9階に里菜さんが学ぶ「洪(ホン)道場」がある。ソウル出身で師範の洪マルグンセムさん(28)から碁会所で手ほどきを受けたのが縁で、小1の12月に入門した。学校から帰るとすぐ、電車で約35分かけて通ってくる。毎夜10時まで、学校が休みの日も午前9時から鍛えている。

 父は一就(かずなり)八段、祖父は故藤沢秀行名誉棋聖というサラブレッドの血筋だが、祖父と打ったことはない。「詰め碁」に集中し、読みの力を養うなど、韓国流の教えで潜在能力に磨きをかけてきた。

 里菜さんは「国語と音楽は好きだけど、算数は苦手。好物はお母さんの作ったロールキャベツで、エビとイカは嫌い」と屈託なく話す。「テレビは目がちかちかするから見ないが、気分転換に家庭用ゲーム機で遊ぶことはある」とも。どこにでもいそうな小学生だが、「勝ちたい」という気持ちは人一倍強い。昨秋行われた謝依旻(シェイイミン)女流本因坊と小沢一郎民主党幹事長の対局も、本因坊の打ち手を研究するために見に行った。

 道場の門下生は幼稚園児(6)から21歳までの男女43人。全員プロを目指す。高校や大学に進学せずに深夜まで修練する少年や、越境組も少なくない。

 小学6年生の一力遼さん(12)は仙台市出身。5歳で始め、以前は週末ごとに日本棋院に通ったが、体力的な限界を感じて昨年春、都内に母と越してきた。「目標は早く世界で活躍すること」とあどけない表情で話す。

 「脳が活発な時期の訓練が肝要」と話すのは師範で道場運営者の新城衛さん(42)。「年齢を経てプロになっても先が細いかもしれない。若いほど技術を伸ばして頂点を目指せる可能性は大きい」

 日本棋院によると、小中学生が出場する少年少女囲碁大会の参加者は約5000人。東京や名古屋などで実施されるプロ採用試験の受験資格は23歳未満だ。200人以上が受験する年もあるが、年6人しか合格しない。

 対局が長時間に及ぶため洪道場では週1回、運動の時間も設けている。約7キロ離れた東京タワーまで歩くこともある。

 また栄養の偏りを防ぐため、1月半ばから昼と夕の給食を始めた。以前は銘々が外で食べていた。飲食店を経営する門下生の親が、格安で提供してくれるという。

 「ご飯どきは赤ちゃんみたいにギャーギャー騒がしいのに、みな碁盤に向かうと無言。すごい集中力。表情に出さなくても負けると悔しい。勝ちたいから懸命です」と新城さん。

 プロ棋士になると、段位によって日本棋院から基本給が支給される。金額は非公表だが「ごくわずか」と言われている。とはいえ、世界のトップタイトルを獲得するのが子どもたちの夢なのだ。

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2010年02月20日

次期改定は「チーム医療への評価の第一歩」(医療介護CBニュース)

【第96回】北村善明さん(日本放射線技師会長)

 中央社会保険医療協議会(中医協)は2月12日、来年度の診療報酬改定案を了承し、長妻昭厚生労働相に答申、これで次期改定をめぐる議論は幕を閉じた。医療専門職の13団体などでつくる「チーム医療推進協議会」の代表を務める日本放射線技師会の北村会長は、昨年秋に中医協の専門委員に選任され、専門職を代表する立場から発言を繰り返してきた。「栄養管理サポートチーム(NST)」と「呼吸ケアチーム」に対する加算が新設され、チーム医療が初めて評価される来年度の報酬改定。「チーム医療に対する評価の第一歩」と話す北村会長に、次期改定や同協議会の活動などについて聞いた。(敦賀陽平)

■「チーム医療に関する発言が多くなった」―中医協委員

―12日の中医協の総会で長妻厚労相に答申し、来年度の診療報酬改定の議論が幕を閉じました。会長は今回、専門委員として初めて中医協に参加しましたが、次期改定をどのように評価しますか。

 まず、10年ぶりにネット(全体)でプラス改定になったことは良かったです。特に入院に関しては、多くの項目に加算が付きました。チーム医療については、NSTと呼吸ケアチームへの評価が新たに加わり、NSTは「医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、社会福祉士」、呼吸ケアチームでは「医師、看護師、理学療法士、臨床工学技士」という職種名が明記されました。チーム医療で患者のQOLが向上すると評価されたからです。このような項目はこれまでありませんでした。その意味で、次の改定はチーム医療に対する評価の第一歩と言えます。次々期の改定では、各専門職の連携がさらに評価されることを期待しています。
 また、病院などでの医療安全対策を推進するため、感染症の専門的な知識を持つチームによる病棟回診のほか、抗生剤の適正使用の指導・管理など感染防止対策の取り組みにも加算が付きました。特に「医療安全対策加算2」では、医療安全対策に係る適切な研修を修了した専任の看護師、薬剤師、放射線技師、臨床工学技士などの医療有資格者の配置が算定要件となっています。医療安全対策におけるチーム医療の役割が評価されたものと言えるでしょう。患者さんにとって、より安全な医療を提供できる体制になるのは喜ばしいことです。
 さらに、医療と介護の連携を促進する「介護支援連携指導料」の新設や、リンパ浮腫の管理、回復期リハビリテーションなども評価されました。メディカルスタッフが専門性を発揮し、チーム医療を推進することが医療の質の向上につながると評価されています。
 一方で、リンパ浮腫治療については、がん治療後の患者だけしか対象になっていません。同じような症状の原発性のリンパ浮腫に対する評価が足りない。同じ治療をしているのになぜ評価されないのか、という声もあります。

―委員として議論に加わったご感想はいかがでしょう。

 医療専門職の代表として中医協に入ってから、チーム医療の推進が患者のQOLの向上につながると訴えてきました。他の委員からも、「チーム医療に関する発言が多くなった」「チーム医療について発言しやすくなった」との意見を頂いています。これまでは医師や病院のための診療報酬をどうするかという議論でしたが、今後は患者さんの視点を大切にし、どのような医療が最良なのかを話し合うことが大切です。

―昨年12月の診療報酬基本問題小委員会で、専門委員としてチーム医療に対する評価を訴えましたね。

 チーム医療について要望書が出されたのは、中医協で初めてのことでした。そもそも、資料の提出すらありませんでしたから。そういう意味では、チーム医療を積極的に推進していくことが必要だという認識が広まってきていると言えます。

―民主党は「中医協改革」を掲げています。専門委員の任期は2年ですが、中医協は今後、どのように在るべきだと思いますか。

 昨年秋に委員が代わり、幅広い人選になりました。横断的かつ多角的な視点で、病院や診療所だけでなく、医療全体を見ることが必要だと思います。診療報酬の目的が何かを考えれば、やはり一番は国民の医療、国民皆保険を守るための手続きでしょう。その意味では、国民のための医療をどのような形で進めていくのか、点数の配分もその視点で考える必要があります。もちろん、自分たちの利益誘導になってはいけません。

■各職種の専門性を発揮した「チーム医療」を全国に

―昨年9月にチーム医療推進協議会が発足しましたが、その経緯についてお聞かせください。

 昨年3月、医療ジャーナリストの福原麻希さん(同協議会世話人)から取材を受けた際、「各専門職種について国民が知らない」「患者さんから見えていない」と言われました。福原さんと意見を交わしていくうちに、それならば、チーム医療に関するグループをつくった方がいいのではないかという話になり、各団体の会長さんに連絡を取りました。6月に皆さんに集まっていただいた際、「国民に自分たちの職種をアピールするためには、声を太く、大きくした方がいい。そのためにはやはり協議会をつくる必要がある」ということで、協議会の設立に至りました。
 当初から10以上の団体が集まり、医師については日本病院会の山本修三会長にご相談し、チーム医療に詳しい副会長の村上信乃先生を紹介していただきました。現在、協議会には13団体が加盟しており、今後さらに2、3の団体が加わる予定です。

―チーム医療をめぐる議論では、勤務医の負担軽減の話をよく聞きますが、協議会設立の趣旨はどこにあるのでしょう。

 「勤務医の負担軽減」とよくいわれますが、それは根本的なチーム医療の評価とは異なります。医師以外の医療専門職も人員不足で、現場は十分疲弊しています。そうではなく、チーム医療の良さは、それぞれの専門性を発揮するところにあるはずです。そして、これを確立した上で、全国に普及しなければなりません。日本中どこに行っても、そうした体制の中で診療を受けてほしい。そのためにはチーム医療の“メンバー”について知ってほしい、というのが協議会をつくった一番の目的です。

―協議会では、これまでどのような活動を行ってきたのでしょうか。

 10以上の職能団体が一堂に会した時、「お互いの職種の仕事内容について、あまりよく知らない」という声が出ました。そこで、2、3回目の会議では、団体ごとに各10分間でスライドを使ってお互いの職種について説明し合いました。この「説明会」は好評で、それぞれの専門性を尊重する良い機会になりました。チーム医療の「基本」として、病院でやってみると良いのではないでしょうか。
 昨年8月に厚労省の「チーム医療の推進に関する検討会」がスタートしたため、協議会から提言しようと、その後は各職種が抱える問題点などを整理し、昨年11月末に取りまとめました。その問題点は、▽現場の人員不足と過剰労働▽チーム医療に適する教育ができていない▽チーム医療に対する評価がされていない―という3点に集約されました。

―1月30日、横浜市内で協議会主催の初のシンポジウムが開かれました。各専門職やマスコミ関係者など200人以上が出席しましたが、参加者の反応はいかがでしたか。

 協議会の運営はすべて手弁当で行っているので、シンポジウムもほとんど自前でしたが、短い期間の中で各団体が協力し、まさにチームとして動きました。厚労省の長浜博行副大臣や民主党の山口和之衆院議員にもご参加いただき、多くの方々から高い評価を受けました。副大臣のごあいさつからも、チーム医療に対する強い期待感が伝わってきました。今回は各職種がお互いを理解する目的で開催しました。その意図では成功しましたが、今後は国民にチーム医療を知ってもらうため、一般の方を対象としたシンポジウムを開きたいと思っています。国民の側から「チーム医療が必要だ」「こういう医療をしてほしい」という声が上がれば、チーム医療の普及がより進むのではないでしょうか。

―「チーム医療の推進に関する検討会」では、年度内に報告書を取りまとめる方針ですが、最終的にどのような形になることを望んでいますか。

 検討会はほぼ毎回傍聴していますが、そのほとんどは医師と看護師の業務拡大の話し合いです。「チーム医療を推進する」という名称が付いているのですから、やはり多職種の業務内容に深く踏み込んでいただくことが重要です。現場で既に実施されているにもかかわらず、法の規制が掛かっている業務が各職種に幾つかあるので、現場が仕事をしやすくなるよう、先日、厚労省に要望書を提出しました。これらは、各団体が何年も要望し続けていることばかりです。

―協議会では、再来年度までに最終的な提言を取りまとめる予定ですが、今後についてお聞かせください。

 今年1年間、協議会でチーム医療に関する調査・検討を行い、「本当に患者さんに貢献できるチーム医療とは何か」「どのようなチーム医療なら評価されるか」などについて、提言をまとめたいと思っています。協議会ではその後、介護を含めたチーム医療全体を考えられないかいう話も出ています。


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2010年02月19日

高速道路無料化、公共交通に打撃は早計馬淵副大臣(レスポンス)

「打撃があるということを前提にご質問をいただくのですが、そのことも踏まえて、社会実験によって客観的なデータに基づいた実態把握を行おうとしている」

国土交通省・馬淵副大臣は15日の定例会見で、心なし苛立った表情を見せた。高速道路無料化路線を打ち出したものの、公共交通への悪影響ばかりが取り沙汰されているからだ。

宇高航路の廃止を表明した四国フェリー(高松市)と国道フェリー(同)は、「国策に翻弄された」と無念さをにじませた。しかし、このことも馬淵氏にとってはやりきれない。「現行の土日祝日上限1000円などの割引は前政権の施策。高速道路に関する料金問題は現在検討しているので、これを出させていただく」と、前政権との違いを強調した。しかし、当初、予算額確定時に発表するとした新料金体案公表は、延び延びになったままだ。

すでに公表された来年度1000億円、高速道路総延長距離の16%に及ぶ無料化路線でも、思ったほど期待する声は聞こえない。「公共交通機関への影響を最大限考慮して選定している」というおきまりのフレーズについて、「公共交通機関に影響がないところを選んだということなら、影響はわからないのではないかとお叱りをいただくかもしれないが、最大限配慮しながら、一般道路、高速道路への交通の転換、クルマの流量の変化、公共交通機関における旅客、貨物の変化、こういったものも同時把握していきたいと思っている。(高速道路無料化は公共機関に影響するのではないかという)ご懸念の部分は最大限配慮して進めさせていただく」と、苦慮をにじませた。

さらに、「現時点で、公共機関が打撃を受けるからどのような補償をするのか、という議論ではないと思っている」という見解を示すなど、高速道路無料化実施前から先行する悲観論打ち消しに躍起だった。

《レスポンス 中島みなみ》

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